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JA共済「クルマスター」の事故対応が悪いって本当?
JA共済が提供している自動車共済「クルマスター」をご存じでしょうか。農業に関係のある方に限らず、サラリーマンや主婦、フリーランスの方など、一般の方を含め幅広い方が利用できる自動車保険です。
JA共済は営利を目的としていないため、安いといわれています。安くて必要な保障が揃っているなら利用する価値があります。
ただ、SNSなどの口コミを見ると、悪い内容のものもあるため、本当のところはどうなのか気になるところです。
今回の記事では、JA自動車共済「クルマスター」について、
- 口コミや評判
- 具体的な補償内容
- 自動車保険とは異なる特徴
について詳しく解説していきます。
自動車保険はコストも大事ですが、より重要なのは万が一のときに役立つかということではないでしょうか。
補償内容とともに実際に利用した方の意見を見れば、JA共済クルマスターがどういったものなのか判断できるかと思います。
記事の後半では、安くて評判の良い自動車保険もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
良い口コミ・評判
内容を一部編集しております。みなさまのお声をできる限り掲載したく、何卒ご了承ください。
- 今まで民間の自動車保険に加入していましたが、クルマスターに変えてから掛け金が安くなりました。かといって補償内容に不安を感じるということもなく、前と変わらないままでしたので変えてよかったと思います。
- クルマスターはどこで契約するのかと思っていましたが、農協の窓口で相談できると聞いて安心しました。家の近くにも職場の近くにもあちこちにあるため、いつでも相談に行ける安心感があります。お願いすれば直接自宅で説明してもらうこともできました。
- 契約時や事故時の対応、補償内容が他の自動車保険に比べて特別いいとは思いませんが、保険料の安さを重視していた私にはぴったりだと思います。他の自動車保険もたくさん見積もりをしてみましたが、JAのクルマスターが今のところ一番安いです。
悪い口コミ・評判
内容を一部編集しております。みなさまのお声をできる限り掲載したく、何卒ご了承ください。
- 民間の保険会社と比べると、やはり補償内容が充実しているとはいえません。事故対応や相談窓口の対応、農協の窓口の対応など、どれをとっても質が落ちるような気がします。わざわざ農協の窓口に行かないといけないのも面倒です。
- 私が被害者になったときの相手の保険会社がJAの自動車保険でした。示談交渉に来た担当の方の話し方がへたくそで面倒に感じました。もっとスムーズな対応ができないものかと思いました。私がJAに入ることはないと思います。
- 事故を起こしたときの共済金が出るのはスムーズでよかったのですが、補償内容に物足りなさを感じます。ロードサービスも無料でついているのですが、サポートが充実しておらず、事故現場から自腹で電車に乗って帰ったことがあります。
JA共済「クルマスター」の補償内容
JA共済「クルマスター」の補償はどういった内容になっているのでしょうか。口コミには「安い」との意見がありましたが、安いからと必要な保障がなければ、利用しても万が一に備えることができません。
ここで、基本的な保障や追加できる特約、事故対応についてご説明します。
補償①:相手方への補償
どこの保険会社を選んでも必ずある相手方への保障はJA共済「クルマスター」にもあるので安心です。
運転中に「他人にぶつかりケガを負わせた」「他人の車や物を傷つけてしまった」などで、賠償責任を負うことになった場合に役立ちます。
- 対人賠償
共済金 | 無制限 |
支払い事例 |
|
付帯される保障 |
相手が死亡した場合に、香典や葬儀参列のための費用として15万円の共済金 |
- 対物賠償
共済金 | 無制限 |
支払い事例 |
|
付帯される保障 |
修理費用が時価額を超えた部分について50万円までの共済金 |
対人、対物事故では賠償金の額がかなり高額になる可能性もあります。その場合の共済金が無制限であることは重要ポイントといえるでしょう。
また、賠償責任があった場合、素人には要領の分からない示談交渉はJAの担当者がおこなってくれるため安心です。
補償②:ご自身と同乗者への補償
JA共済「クルマスター」には、車による事故(歩行中の車事故を含む)によって自身や一緒に乗っている家族などに害が及んだ場合の保障として、
- 人身傷害保障
- 傷害定額給付保障
の2つがあります。
人身傷害保障では、契約時に設定した共済金額の範囲内で過失割合分についての共済金が出ます。
- 人身傷害保障6,000万円で契約している場合の具体例
損害額 | 自身の過失 | 共済金 |
6,000万円 | 30% | 1,800万円 |
2,000万円 | 100% | 2,000万円 |
明らかに相手が悪いと思われる車同士の事故でも、自身の過失が0になることは少なく重要視したい保障といえます。
次に傷害定額給付保障についてですが契約時に決めた共済金額の範囲内で、
- 治療共済金
- 死亡共済金
- 後遺障害共済金
が出ます。
人身障害保障と内容が似ていますが、損害額に関係なく一定額の支払いがあるというのが違いです。
医療保険や生命保険と重なる部分もあるので、保障のバランスを考えて決めるとよいでしょう。
補償③:車の補償
自動車保険と同じようなカテゴリで車両保障があります。JA共済クルマスターは、すべての偶然な事故による損害を保障する「全損害担保」です。
例えば、
- 車と車の衝突
- 盗難、火災、台風
- いたずら、落書き、窓ガラス破損
などのほか、相手車との衝突や接触など、限定された事故による損害を保障する「損害限定担保」では保障されない、
- 車庫入れに失敗
- 当て逃げ
- 電柱、ガードレールに衝突
- 墜落、転落
といったケースも保障されます。
車が全損となった場合には、臨時費用として車両共済金額の10%(20万円限度)の共済金がプラスされます。
車に損害が生じて動かなくなってしまった場合に想定される、
- 代車費用
- 修理後の運送費用
- 帰れない場合の宿泊費用
- 自宅に帰るまでの交通費
- 修理額が共済価額を超えてしまった場合の費用
- 新車に買い換えるための費用の一部
など、様々な費用についてはこの後ご紹介する特約でカバーできるようにしておくと安心です。
補償④:選べる特約
JA共済「クルマスター」も特約をプラスできますが、どのようなものが存在するのかを説明していきますので自分がつけたいものがあるかどうかも確認しておきましょう。
車両諸費用保障特約では、保障に入っている事故や故障などで車が動かなくなった場合にかかる様々なお金を賄うために下記の共済金が支払われます。
- 代車費用共済金
- 陸送等費用共済金
- 宿泊費用共済金
- 帰宅等費用共済金
- 積載動産損害共済金
それぞれ限度額がありますが、遠出をしているときに事故に遭った場合は上記の費用が高額になる可能性があるため、万が一のために入っておくと安心でしょう。
また、
- 地震等車両全損時給付特約
- 車両超過修理費用保障特約
- 車両新価保障特約
をつけることもできます。(車両諸費用保障特約に入っている人のみ)
地震等車両全損時給付特約は、地震と噴火・またはこれらによって起きた津波で車が故障したときに修理費用(50万円まで)が支払われます。
ほかにも、
- 弁護士費用保障特約
があります。
JAは農業を営む人が組合員にも多いため、
- JA共済オリジナル季節農業用自動車保障特約
というものもあります。決められた植付機・収穫機・農業用薬剤散布車での事故が起きたときに共済金を受け取れるものです。
補償⑤:ロードサービス、事故対応
民間の自動車保険会社は、
- タイヤのパンク
- 燃料切れ
- 故障
- 盗難
など、様々な車のトラブルがあったときに対応してくれるロードサービスが充実している会社が多いです。
JA共済「クルマスター」も、ロードサービスは自動でついております。
レッカー移動が必要な場合、車にトラブルがあったときは
- 0120-063-931
に連絡をしましょう。
また、事故に遭ったときも民間の保険会社のようにスタッフが対応してくれます。
事故を起こしたときは
- 0120-258-931
に連絡をしましょう。
どちらも365日24時間営業になっていますが、JAの営業時間内に何かトラブルがあったときは加入先のJAに連絡をする必要があります。
365日24時間対応を見ると民間の保険会社と変わりはないように思いますが、土日や営業時間外の対応が民間の保険会社に比べるとスムーズに進まない可能性があります。
また、事故対応専門のスタッフがいる民間の保険会社に比べて、JA共済の事故対応は劣っているとの口コミもあるため、ほかの保険としっかり比較をしてください。
JA共済「クルマスター」の特徴は?
JA共済「クルマスター」は、
- 掛け金が安い
- 民間の会社の自動車保険とは加入条件に違いがある
という特徴があります。
ここでは、この2点の特徴について詳しくお話していきます。この特徴を知った上で、クルマスターに入るかどうかを検討しましょう。
特徴①:掛け金が安い
JA共済「クルマスター」は、掛け金が安い特徴があります。そのため、「保険料をとにかく安くしたい」「保険料の安さで入るものを決めている」という方にはこちらの保険がおすすめです。
JA共済は農業協同組合という非営利団体が運営しているので、営利目的の民間のものと違い保険料が安いです。
掛け金が安い理由はほかにもあり、
- 契約者が自発的に申し込みする仕組みなので、広告費などの膨大な経費がかからない
- インターネットや新聞・折込広告など、費用のかかる宣伝をしていない
- 営業店舗がないのでコストがかからない
- 掛け金の支払いは口座振替のため集金の費用が必要ない
など、低コスト経営をおこなっています。
民間の保険会社は有名な女優や俳優を起用してCMなどで宣伝したり、営業店舗を設けたりしているため経費が高額になります。
その分上記の理由から経費が少ないJA共済は、安い掛け金で契約者の満足のいく補償ができているのでしょう。
特徴②:加入条件が自動車保険と違う
民間の保険会社の場合、加入するのに条件はほとんどなく誰でも入ることができます。
しかし、JA共済は農業協同組合が運営しているので、昔は組合員でないと入ることができないものでした。
今では組合員でなくても入ることが可能ですが、組合員と比べると受けられるサービスが違いますし値段も高くなってしまいます。
組合員になるためには、
- 出資金を払う
- JAの口座を作る
とスムーズに入ることが可能です。
また、親族に組合員がいる場合は、親族に紹介してもらうと組合員と同じようにサービスを受けられる可能性があります。親族に組合員がいる方は、親族を通して加入しましょう。
JA共済は保険の支払いなども口座振替なので、口座を持っていない方は作っておくとスムーズです。いずれかの方法で入って、組合員と同じようにサービスをしっかり受けましょう。
農協に行くと色々と教えてくれるので、分からないときは近くの農協に行ってどの方法がよいか聞いてみてください。
安くて評判の良い自動車保険をご紹介!
JA共済「クルマスター」は掛け金が安いというメリットがありますが、民間の保険会社にも安くて評判のよい自動車保険がいくつかあります。
ここでは、価格ドットコムの安くてお客様からの評判がよい自動車保険を3位まで紹介します。
保険料満足度ランキング |
SBI損害保険 |
チューリッヒ保険会社 |
ソニー損害保険 |
SBI損害保険がトップなのは2020年だけでなく、2010年から常に1位をキープしております。紹介した3社はすべてネットで契約ができるダイレクト型のものです。
近年は
- 保険料が安く済む
- 代理店に行く手間や時間がかからない
- 24時間いつでも申し込みができる
などの理由から、ダイレクト型のものが人気が高いです。代理店型のものは人件費・店舗の維持費などの経費がかかるので保険の金額が高くなる傾向にあります。
その分ダイレクト型は人件費などの経費があまりかからないので、保険料を安くできるのでしょう。
JA共済も掛け金が安いので、保険料を安くしたい方はダイレクト型のものと比べて検討してください。
JA共済の場合は近くの農協で申し込みをするため、「ネットで内容を見て自分で契約をするのが不安」という方には、担当者から説明をしっかり聞けるJA共済が向いているでしょう。
1位のSBI損害保険の評判についてさらに詳しく知りたい方は、こちらで詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
2位のチューリッヒ保険会社の事故対応などの口コミが気になる方は、こちらで詳しく紹介しておりますので参考にしてみてください。
3位のソニー損害保険の評判や口コミが知りたい方は、こちらで詳しく紹介しておりますので参考にしてみてください。
まとめ:クルマスターは安く済ませたい人におすすめ!
今回は、JA共済「クルマスター」について詳しく説明してきましたが参考にしていただけたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- JA共済の自動車共済は、相手への補償・自分の補償・車両保険と民間の自動車保険と同じような補償がある
- 農協が運営しているため掛け金が安いのが特徴である
- ロードサービス・事故対応が悪いという口コミがある
- ほかの自動車保険とも比較して入ったほうが安心
です。
農協の自動車保険なので、民間のものと違って事故対応・ロードサービスの対応が悪かったり、遅かったりする可能性があります。
また、特約も少ないので、色々自分で補償をプラスしたい方はダイレクト型のほうが値段が安い上に補償が充実するでしょう。
JA共済は保険料を安くしたい・ダイレクト型に入るのが不安という方におすすめです。値段以外のところもしっかりと見て比較検討してみてください。